広告代理店ってどんなところ?

スポンサーリンク

広告代理店ってどんな仕事をしてるの?
広告代理店の職種って何があるの?
広告業界へ就職・転職したい

そんなことを知りたい方におすすめの記事になっています。

私は総合広告代理店で4年、デジタルエージェンシーでWebコンサルタント・プロデューサーとして11年半経験し、現在も様々な大手企業に対してデジタルマーケティングコンサルタントとして活動しています。

広告業界出身者としてできるだけわかりやすく解説していきます。

スポンサーリンク

広告の種類って?

広告業界というとTVCMをイメージする方が多いと思いますが、広告といっても様々な種類が存在しています。以下は電通が毎年発表している日本の広告費です。※2019年日本の広告費より抜粋

ここ数年、マスコミ四媒体の広告費が毎年減少しており、インターネット広告費が毎年増加している傾向にあります。2019年インターネット広告費がはじめてTVCMの広告費を抜きました。インターネット広告費はこれからも拡大傾向にあります。

日本の場合、TVCMは枠が決まっておりその中での広告出稿になるのに対し、インターネットはSNS、YouTube、LINEと様々なwebサービスが生まれており、そのサービスごとに広告枠があるため、媒体領域がとても広いのもあり、毎年二桁成長を続けています。

広告といっても電波の広告、デジタルの広告、そして屋外、交通といったリアルの広告、DM、POPといった紙の広告等、様々な種類に分かれます。

この広告の種類はどの広告を扱う会社に行くにしても覚えておきましょう。

その中で自分はどういったジャンルの広告を扱う会社に行きたいかを考えましょう。

では、どんなジャンルの広告代理店があるのでしょう?

広告代理店の種類

広告を取り扱う会社としては、大きくは総合広告代理店、インターネット広告代理店にわかれます。

それぞれで解説します。

総合広告代理店

マスコミ四媒体、インターネット広告、屋外、交通といったリアルの広告、DM、POPといった紙の広告等、すべての広告が取り扱い範囲になっています。有名な会社だと電通、博報堂、ADKになります。幅広く広告に携わりたい方にはおすすめですが、実際入社すると特定クライアントを担当するため、そのクライアントの取り扱いメディアに左右されるのが実情です。

特にインターネット広告に関しては領域的にはあまり強くないので、インターネット広告を経験したい方にはおすすめしません。電通、博報堂といった大手でもそこまで経験は積めないです。

TVCMに連動したネット施策等に関心がある方は、電通、博報堂のインターネット専門の子会社への就職をおすすめします。本体はあくまでテレビCMが中心であり、インターネット領域はそこまで強くない印象です。

インターネット広告代理店

インターネット広告に特化した広告を取り扱う広告代理店です。有名な会社だとサイバーエージェント、オプト、トランスコスモス、セプテーニになります。

インターネット広告は検索エンジンに連動した広告であるSEM(Yahoo!、Google)、SNSの枠に広告を出せるSNS広告(Twitter、Facebook、Instagram)、LINE広告、成果報酬型のアフィリエイト広告など様々なジャンルがあり、それぞれ専門の運用担当者がいてビジネスが成立しています。

入社してもすべてのインターネット広告媒体を担当することは難しく、SEM専任、アフィリエイト専任としてキャリアを積んでいくことがほとんどです。ただ、何かしらのインターネット広告の経験値を積めれば、他のインターネット広告媒体を対応するのはそれほど抵抗感はないでしょう。

広告代理店の仕事って?

広告代理店の収益は基本手数料収入。広告を代理することで得られる仲介マージンになります。主には媒体手数料と企画・制作費の手数料の2つで成立しています。

総合広告代理店の場合

媒体手数料・・・テレビCM、新聞広告等の買い付けの際の手数料収入のこと。広告主がTVCMを出したいといった際に、どの枠でどれぐらいの量出稿すべきかを提案し、実際放送局に買い付けをしていくという作業全般における手数料になります。

企画制作費の手数料・・・テレビCM、新聞広告といった媒体に広告を出す際にはCMを制作したり、新聞広告の広告の中身を制作する必要があります。どんなメッセージを伝えるのか、どんなデザインにするのか、タレントは使うか音楽はどうするか等です。そういった企画を考え、実際制作する会社に指示を出し管理することに対しての手数料になります。よく広告代理店がCMを作っているようなイメージをもたれていますが、代理店は主に戦略や企画がメインの機能であり、実際作っているのは、その配下で動くCM制作会社やデザイン制作会社です。本当に自分でCMを作りたい、デザインをしたいと思うなら広告代理店よりも実制作をしている制作会社への就職をおすすめします。

インターネット広告代理店の場合

媒体手数料・・・インターネット広告の買い付けの際の手数料収入のこと。広告主がインターネット広告を出したいといった際に、どの枠でどれぐらいの量出稿すべきかを提案し、実際インターネット媒体社に買い付けをしていくという作業全般における手数料になります。インターネット媒体社とはGoogle、Yahoo、Facebook、Twitterといった企業になります。

企画制作費の手数料・・・インターネット媒体に広告を出す際には媒体に掲載するバナー広告(画像の広告)、テキスト広告、動画広告等を制作する必要があります。どんなメッセージを伝えるのか、どんなデザインにするのか等の企画を考え、実際制作する会社に指示を出し管理することに対しての手数料になります。こちらはテレビCM等の媒体と比較すると金額はかなり小規模になります。

リアルな広告媒体(屋外広告・交通広告)を代理している広告代理店も、同じように媒体手数料と広告の企画制作費の手数料で収益を得ています。

広告代理店の職種について

広告代理店は職種によってかなり求められるスキル、環境、キャリアの歩み方は変わってくると思います。

総合広告代理店の場合

総務・管理系の職種を除くと大きく、営業、マーケティング、クリエイティブ、プロモーション、デジタルと5つぐらいに分かれます。それぞれ簡単に解説します。

営業:クライアントの窓口。プロジェクトの責任者・リーダー的な存在。社内のスタッフを統括し、プロジェクトを成功に向けて導いていく存在。プロジェクトの収支管理の責務ももつ。全職種のなかで最も重要なポジション。営業の優劣でプロジェクトの成否が決まるといってもいいと思います。様々なスタッフとコミュニケーションしつつ、全体を統括できる職種なので、広告領域のキャリア全体のキャリアはつめます。

マーケティング:プロジェクトのブレーン的な存在。クライアントの課題を理解し、その解決のための戦略立案の絵を描いていく。コンサルタントに近しい職種ともいえます。全職種のなかで最も頭を使うポジションで、お金を生み出す源泉になる職種でもあります。広告業界では競合コンペが多いですが、その際はこのマーケティングセクションの人間が優秀だとコンペ勝率がかなり上がります。

クリエイティブ:TVCM、新聞広告等、広告の中身を企画・デザインする職種になります。実制作は外部のプロダクションと一緒に考え作ることも多いですが、代理店社内で制作をしてしまうこともあります。広告代理店の花形職種で世の中の人達に見られるアウトプットを出せるというのはとてもやりがいを感じられると思います。大手広告代理店だと、この職種から独立する人も多いです。

プロモーション:キャンペーン、イベントといった企業の商品の販売促進、来店促進の企画、実施を担当する職種です。広告は認知拡大・話題喚起といった役割がメインなため、実際の売り上げ貢献をするための施策には販売促進施策(セールスプロモーション)が必要になります。具体的には○○プレゼントキャンペーンといった企画や体験型イベントを企画する等を担当します。

デジタル:インターネット広告代理店の領域とは異なり、インターネット上でどのようなプロモーションを仕掛けるか、どんなクリエイティブにしていくかという点を企画検討するセクションになります。全体のプロジェクトで各メンバーがチームを組む際は、クリエイティブやプロモーションと役割がやや重なることがありますが、デジタル領域はこのデジタル担当がクリエイティブ担当やプロモーション担当と連携をとって、かたちにしていきます。

インターネット広告代理店の場合

総務・管理系の職種を除くと大きく、営業、運用、企画と3つぐらいに分かれます。

それぞれ簡単に解説します。

営業:新規案件獲得までのクライアントの窓口。プロジェクトの責任者・リーダー的な存在。社内のスタッフを統括し、プロジェクトの収支管理の責務をもつ。広告案件の獲得を中心として動き、広告運用のフェーズに入ったら運用担当にクライアントの窓口含めてバトンタッチすることが多いです。全体の収支管理はしますが、運用の進行には入らないケースが多いと思います。

運用:案件受注後に広告運用を担当する。運用数値の報告等はクライアントに直接報告し、日々運用クオリティの向上を目指していくポシジョン。受注ありきで動いていくセクションのため、仕事を取りに行くための動きはありません。受注した仕事の品質をどれだけ高められるかがポイントになってきます。

企画:新規案件獲得のために営業と一緒に動くポジション。提案のためのメディアプランを考えたり、ネット広告受注のための様々なアイデアを出していく役割です。栄魚や運用担当がこの企画ポジションを担うケースもあります。

広告代理店の労働環境は?

広告代理店というと遅くまで働いて重労働のイメージがあります。こちらは総合広告代理店でもインターネット広告代理店でも同じような状況かと思いますので、共通した環境として解説します。

広告業というのはBtoBビジネスであるため、クライアントに左右されることがほとんどです。残念ながら、国内でまだクライアントとパートナーの代理店が対等の立場であるケースは少ないと思います。発注者と受注者という関係上、受注者は発注者に気遣う、あわせるというカルチャーは根強いです。

そのため、クライアントの担当次第でかなり労働時間も左右されるのが実情です。

効率よく優秀で、かつ気遣いもいただけるような担当の方とお仕事をできると、プロジェクトの進み具合もスムーズで労働時間的にも無理ない環境になります。

一方で、クライアント担当が社内の意思とは違うミスリードをして指示を出してくる、言ったことをひっくり返してくる等のケースの場合は、それはそのまま稼動に跳ね返り、残業時間が増えてしまいます。

働き方改革といわれていますが、BtoBビジネスをしている業界では相手方に依存せざるをえない実情があるため、そこまで大きく働き方は変えられていないのが現実ではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました