転職面接時に面接官が見ているポイントについて解説します。
私はデジタル広告業界に在籍している15年半で300名以上の採用面接を経験。自身も転職は2回経験しています。面接官、転職者双方の視点でできるだけわかりやすく解説できればと思います。
転職面接で面接官が見ているところって?
大きく3つ見ているポイントがあると思います。
職務経歴書の内容
こちらは面接前の話になりますが、中途面接の場合は、書類選考のハードルは高めのケースが多いと思います。中途面接官は現役の社員・役職者であり、業務の時間を割いて面接の時間にあてているので、会いたいと思う人しか会わないと思います。ですので、履歴書・職務経歴書に書かれている内容に興味を持った上で会っているという点を認識しておきましょう。職歴の何かのキャリアが面接官が求めている人材スキルと重なる部分があるということです。
ですので、職務経歴書は時系列でできるだけ何をしてきたかをわかりやすく記載しましょう。たとえば、以下のような感じです。
2008年4月~2014年3月
株式会社○○○○○ 勤務
役職:○○部 部長/Webプロデューサー
<主な業務内容>
・新規ユーザー集客企画立案~CV達成までのサイト導線設計(PDCAによるサイト改善業務)→主な事例:社名を記載
・WEBサイト(コーポレート、キャンペーン)・アプリ新規立ち上げに伴うサイト設計/進行業務→主な事例:社名を記載
・CRM業務(facebook立ち上げ/運用・メールマーケティング業務)
→主な事例:社名を記載
・予算達成・メンバー育成マネージメント(部長:部下○○名、担当予算○○億/年、5年連続目標達成)
企業ブランド向上のためのデジタルの企画立案・プロモーション/オウンドメディア/ソーシャルメディアプロデュース、解析によるPDCA等、デジタル関連業務の上流から下流までのプランニング/プロデュースを実施。社内ではPLチームを作りプランナー育成も推進しつつ、部長として××名のメンバーマネージメントを実行し予算達成に導く動きをしている。2010年度担当局予算ミッション:約○○億円/年 ※担当予算は入社以来×期連続達成。
上記は私の職歴の抜粋になるため、デジタルの代理店業務での職務経歴例になっています。どの職業も主な業務内容欄は箇条書きで具体的に何をしてきて、どんな会社と実績があったのかを記載できるといいかと思います。
会社名と実績だけを羅列するよりもユーザーの集客施策(広告施策)のプランニング、Webサイトの立ち上げ業務といった業務カテゴリをつけた上で、どんな会社とどれぐらいの予算でどんなチーム体制で実施をしてきたのかという点がわかりやすく記載されていると面接官もイメージがわきやすいと思います。
コミュニケーション力/協調性
どんな会社でも配属先のメンバーと求職者がうまく打ち解けて、業務を実施できるだろうかという点はとても重視しています。そのためには、面接官とコミュニケーションがとりやすいか、順応性があるタイプか等はチェックします。20代ならそこまで深くは見ませんが、30代半ば以降の人材を採用するときは、このポイントは職歴と同じぐらい重視します。
30代は自身のキャリアに一定の自信を持ち、そのキャリアを活かしたいという気持ちが強いため、仕事の型が決まっていたり、やや順応力が落ちてくる時期だと思います。新しい環境の中で、自分をリセットしイチからスタートを切るというマインドになりにくいです。そのため、自信を持って入社して自分の想定と違う環境だったり、仕事だったりすると戸惑ったり、抵抗したりして所属先で浮いてしまい、ミスマッチになってしまうこともしばしばあります。それは求職者も会社もお互いに不幸です。それを防ぐためにも、仮に入社後、自分の想定と違ったときでも、この人はそこにフィットして合わそうとできるタイプかどうかという点をみます。会話の中での素直さ、協調性といった視点は年齢が上がれば上がるほど大事だという点は意識しておいたほうがいいと思います。
会社への帰属意識
転職活動中は色々な会社を受けていくと思いますが、どの会社も「なぜ、ウチなのか?」という志望動機は重視します。複数の会社を受けるときに、それぞれの会社の内容をすべて調べていくのは大変かもしれませんが、自分のキャリアがこの会社でどう活かせるのか?は必ずイメージした上で面接に望みましょう。これはなぜ、自分が転職をするのかにも直結する理由になります。
たとえば、以下のようなイメージです。
◆大手企業へ転職
中堅広告代理店→大手総合広告代理店へ転職
志望動機:より規模の大きい業務を経験し、さらに自身を成長させたいため
◆スタートアップへ転職
大手企業→スタートアップベンチャーへ転職
志望動機:今までのキャリアを活かし、企業を成長させていくことへモチベーションを
感じたため。※ベンチャーの企業スピリッツ・事業への共感も語るべき
◆異業種へ転職
小売業界→映像業界へ転職
志望動機:小売業で店頭ディスプレイで配信する映像制作の仕事に携わり、店頭でお客様が映像によって商品理解を得て商品購入をする姿に映像のチカラを感じ、自身も映像業務で見る人達の気持ちの変化を生み出す仕事につきたいという思いが強くなったため。
※異業種への転職はいまの仕事と志望する業種との接点を探して、その点を強くPRしてください。
上記は一例ですが、大事なのは自分のどんなキャリアを志望先のどういう事業に活かせるかという点を語ることかと思います。その点をしっかりイメージした上で面接にのぞみましょう。